保育士が転職に成功するポイントとは?
保育士の人材不足は深刻です。これにより、保育士の求人は溢れ返っている状況が続いているので、保育士さんが今の職場よりも待遇の良い職場を見つけることは比較的容易です。しかしその一方で、より良い待遇の職場に転職したにも関わらず、転職先が合わなかったと転職を後悔する声も良く耳にします。
求人数が多い分、自分の希望条件に合った職場を探すのは容易なはずですが、過酷な労働環境を強いられたり、人間関係にストレスを抱える人も多いのです。
今回は、保育士として転職に成功するにはどのようなことに気をつければ良いのかに焦点を当てて解説していきます。転職を後悔する保育士の理由を知り、後悔しない転職をしましょう!
保育士が転職に後悔するポイントとは?
転職後、後悔する一番の理由は、”転職理由となった条件が改善できなかった場合”に多いです。
例えば、転職前、労働時間の超過が不満だったとしましょう。サービス残業が当たり前のような環境で勤務を続けるのは…と思い転職した場合、転職後は、労働時間に見合ったお給料がいただける職場、労働時間を短くできる職場を希望すると思います。
しかし、いざ転職してみると、サービス残業はないものの、持ち帰りの仕事が増えたなど、労働環境の改善にならなかったというケースも存在します。
確かに働くまで分からない部分も存在しますが、こういった部分について詳しく確認を取り、慎重に転職を検討することをおすすめします。
保育士が実際に後悔する理由には、どんなものがあるのか他にも詳しく解説していきます。
転職先の保育レベルの低さに後悔
保育士の転職後の後悔理由として、意外と多いのは、転職先の保育レベルの低さです。
転職する際の希望条件には、前の職場の不満点を条件にするのが基本となります。前の職場で「良い」と思っていた部分について条件に加えることは少なく、主に給与面、労働環境といった待遇面の希望を出す方がほとんどです。
保育レベルについては、前の職場がよほど悪い保育でない限り、条件としては加えません。当然こうであろうと想像の元に転職してしまうので、転職後にその保育レベルの低さに驚かされるケースも少なくないのです。
希望条件に合った転職をすることで待遇面の不満はクリアになったものの、肝心の業務内容に不満が出てしまうのでは元も子もありません。この部分もしっかりと提示しておくこと、確認しておくことを推奨します。
園長先生や先輩職員との保育方針のズレが生じた
保育方針は基本的にその園の特色が強く出ます。例えば、宗教法人、モンテッソーリ、フレーベル等のメソッドを掲げている保育園であれば、どんな方針の保育園なのかは大体想像することができます。
しかし、一般的な保育園の場合は、保育方針や理念を掲げていないので、”普遍的”なものを想像する方が大半だと思います。
しかし、自分の思い描く普遍的な方針がズレを生じさせる原因となるケースもあります。「保育方針にズレは生じないであろう」という思いから、転職先の保育方針のズレを感じてしまうケースもあるのです。
もちろん、歩み寄れる程度のものや修正可能なものもたくさんありますが、「前の職場だったら、こんなことしないのに。」なんてことが多く起こると、自分のやっていることに疑問を感じてしまい、後悔に繋がります。
サービス残業が増え給与が下がった
冒頭でも紹介した通り、保育士の人材不足は深刻化しています。その理由となっているのは、給与の低さ、労働時間の長さ、サービス残業や休日出勤等です。待遇面、給与面に不満を持つ保育士が多いからこそ、人材不足に陥っている状況です。
転職を希望する保育士さんの多くは、給与面や待遇面を第一条件として提示することが多いです。しかしその一方で、転職後も給与面や待遇面に不満を持つ方が後を絶ちません。
その理由として多いのは、「残業代がつかなかったために給与が下がった」というケースです。保育士の人材不足により、保育士は保育の他、事務仕事といった多くの業務があり、1人1人の負担が大きくなっています。
前の職場は労働時間が長いものの残業代がもらえていたから給与が良かったけど、現職場は残業代がつかないから、基本給はアップしたのに給料が下がってしまった、なんてケースもあります。
他の先輩職員がサービス残業をしている中、「私はしません」というわけにもいきませんので、それを泣く泣く飲まなきゃいけない状況になり、転職を後悔している方が増えているのです。
保育園の残業に関する方針は、実際に働いてみてはじめて分かる部分も多いです。事前に確認できることは徹底的に確認し、後悔のないようにしましょう。
保育士が転職の成功を実現させるポイント
転職時には、転職先の細かい部分を確認し、自分の希望に本当に合っているのかを徹底的に把握しておくことが大切です。基本給があがるから、休日出勤がないから、といった良い部分だけにとらわれず、細かい部分も意識して情報を収集しましょう。
また、前述の例のように転職後、こういうことがあるかもしれないとリスクを把握しておくことで、より転職の成功を実現できるようになります。
では、具体的に転職する時は、どのようなポイントに気をつけていけば良いのでしょうか。必ず確認しておきたいポイントをいくつか紹介します。
気になる保育園の調査は徹底すること
気になる求人が出ていたら、その保育園の調査を行います。求人サイトに出ている情報はあくまでも、求人用のものなので、具体的な保育園の詳細までは分かりません。保育園のホームページを確認してみる等、別の角度からの調査も必要です。また、利用する求人サイト以外の求人サイトを閲覧してみるのも効果的です。
保育園のホームページには、保育方針や保育活動、行事やイベントの詳細等が記載されています。保育園の雰囲気が分かりやすく、保育方針もつかみやすいです。
求人に載せられている情報だけで判断するのではなく、全体を通して、自分に合っているかを確認していきます。こうすることで、転職前の印象と転職後の実態のギャップを埋めることができるのです。
どんな保育士になりたいのかを明確にすること
「保育士」といっても、勤務先の形態はさまざまです。小規模の保育園、複数の系列園を経営する保育園、宗教法人の保育園、モンテッソーリ等の特定の教育法を掲げる保育園等、勤務先で保育士の在り方は変わります。
転職時には、今までの保育士としての経験や悩みを振り返り、自分がどんな保育士になりたいかを考えてみましょう。どういった転職先が合っているかを把握するための良いきっかけになります。
自分の保育士像はどういう形態の保育園に適しているのか、またどういう保育を行いたいのか、今後のキャリアアップをどうするか等、将来を見据えて考えることが大切です。転職前に明確にしておくことで、モチベーションアップにも繋がります。
転職先に求める希望条件を洗い出す
転職先に何を求めるのかは人によって大きく異なります。自分は何にこだわり、何を重視しているのかを自分でもしっかりと把握しておくことが大切です。そのためにはまず、転職先に求める条件を洗い出し、整理しておくことです。
自分の求める条件を把握していれば、数ある求人の中で自分に合った保育園を見つけやすくなります。またいくつか気になる求人を見つけた後も、その中で自分により合った保育園を探し出すことができます。
給与面、待遇面、全ての労働環境が自分に合っている保育園に転職したいと思うのは当然のことです。しかし、そのどれもを叶えるのは難しいことでもあります。だからこそ、希望条件を把握し、優先順位をつけて、転職先を探していきましょう。
例えば、「給与が良いのであれば、多少労働時間が長くなっても構わない」、逆に「給与は問わないのでできるだけ労働時間の短い職場が良い」といった具体性のある希望条件を把握することができます。
どうしてもこれだけは叶えたいという条件は、3つ程度に絞ることをおすすめします。それ以外の条件に関しては、”できれば”という感覚で判断していくと良いでしょう。